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 所長秘書室といってもそれ自体が独立した一個の部屋でなく、廊下と所長室との間にある小部屋だった。

 俺はノックもせずその部屋に入った。自分のデスクでタイプライターを打っていたミスMは、俺を見てちょっとの間手を止めたが、またすぐに視線を戻してタイプを打ち始めた。俺が何か言い掛けると手のひらで俺を制し、あくまでも仕事を続けようとする。

 俺は拳銃を引き抜いた。

 それに気づいた彼女は手を休めて、キラリと輝く鋭い目つきで俺を見た。

「何か用?」

 そう言いながら彼女は右手で素早くデスクの引き出しを開けていた。引き出しの中のデリンジャーが俺の目に入った。

        彼女を撃つ


撃たない