88 「動くな!」
鋭く威圧的な俺の声に、彼女はびくっと体を震わせたきり動かなかった。
「ゆっくりと引き出しを閉めろ。そして両手をデスクの上に置け」
俺が銃口を彼女に向けたまま言うと、彼女は俺の言葉に素直に従った。どうやら観念してくれたらしい。
「あなたに与えられた任務ってなんなの?」
彼女が俺に向けた目つきはさっきとは違って悲しいものだった。
「裏切り者を抹殺しろ、ということさ」
俺がそう答えると、彼女は深い溜め息を漏らして首をうなだれた。
そして言った。
「そうよ‥‥私がそうなのよ」
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