ヘリポートへ行くと、俺は身体チェックを受けた。殺人用ピアノ線を仕込んだ腕時計と、目潰しのマグネシウム光を発する仕掛けをした指輪を取り上げられた。ポケットのあらゆる品物が抜き出され、挙げ句にズボンの折り返しに隠してあった万能鍵まで没収された。これではスパイとして丸裸も同然だ。


 卒業試験の難しさを知った俺は、目隠しされてヘリに乗せられた。俺のとなりに副所長のK氏、前の座席には操縦士が乗り込む。


「目隠しをしたのは万が一のために、この養成所の位置と、試験地である島の地理を覚えられては困るからだ」


 一週間前に副所長に就任したばかりのK氏が低い声でいった。俺は島のことを聞きたくて口を開きかけると、


「所長は本当の細かいところまで教えてくれなかったろう。私が教えてあげよう」


 K氏のほうから切り出したので、俺は肩をすくめた。     

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