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小型ガスボンベを使うには拳銃が必要だ。これはスプレーのようにガスを噴出できる構造にはなっていない。拳銃で破裂させなければ殺傷性を持たないのだ。
俺と男は一定の距離を保ち、部屋の中を円を描いてにらみ合っていた。ファイティングポーズは崩さない。拳銃は男の足元にあった。
それに気づいた男は拾い上げようと屈み込んだ。俺はその機を逃さず、飛びかかった。屈み込んだ男の顔面を蹴上げようと考えた。しかし、男のその動作は俺に対する牽制だった。飛びかかろうとした不安定な体勢の俺にタックルをしかけてきやがった。俺はふっ飛ばされ、壁に叩き付けられた。しばし目がくらむ。頭を振って目まいを振り払い、男の姿を探す。
男はうす笑いで頬と唇を歪め、拳銃を構えて立っていた。銃口は俺を向いている。俺が事切れるまでに、男は俺の体に五発の鉛弾を撃ち込んでいた。