110
ヘリの中でK氏は最後の通告を下した。
「君の任務は我々にとって非常に重要なことなのだ。もし君が任務に失敗した場合は、現役の諜報員がその任務を継続し、完了させる手筈になっている。その場合、君にはなんらかの形で失格の宣告を与えることになる。是非とも君の力でこの任務を完了してもらいたい。これは君の卒業試験であることに違いはないのだから。
必要な情報は向こうに着いてから収集するように。収集した情報を分析し、任務を完了させるのだ。君は優秀な訓練生だし、きっと為し遂げてくれると信じている。健闘を祈る」
俺は自分がまるで見えない糸に操られているマリオネットのような気がしてきた。スパイとは所詮、国家の操り人形のような存在なのかも知れない。