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この女は俺の任務を攪乱するためにこの島へ送り込まれた工作員だ。信用できない。俺は女につきつけていた拳銃の引き金にかけていた指に力を込めた。
鋭い銃声が穏やかな月の光に照らされた夜の中を響き渡った。岩壁がこだまを返してくる。
女は至近距離から放された弾丸に飛ばされて無言のまま海の中に落ちた。胸に真赤なばらを刺したようだった。辺りが静寂を取り戻した時、俺はやるせない思いにかられた。
スパイは非情なもの‥‥
その言葉を噛み締めて、俺は胸の前でその女のために十字を切った。
俺は肩を落としてその場を去った。